今日は普段滅多に顔も合わせない黄金聖闘士が一同に教皇の間に集まって騒いでいる。
女神の御加護で復活できたお祝いだそうだ。
皆、各々に比較的仲の良い聖闘士たちと飲み交わしている。
俺はと言えば、そんな相手もいないので場の空気に耐え切れずに一人で外へ出ていた。


俺の知らない人と話すサガ。
俺の知らない表情で笑うサガ。
俺の知らないサガ。
俺を見ない、サガ。

何もかもが気に食わない。


――何故?

別に、サガが誰と何をしていようと俺には関係ないのに…。








「カノン」
しばらくぼんやりと空を見上げていると、名を呼ばれる。
相手は見ずともわかった。
「カノン、こんな所にいたのか」
探したんだぞ、と俺の隣に立つ、俺と同じ姿をした兄。

「……向こうは良いのか?」
「ぇ。ぁ、あぁ…皆酔い潰れてしまってな」
「だから、俺を探しに?」
手持ちぶさたになったからか?
「ち、違う…。私は、カノンと…」
うつ向いてしまったサガを置いて、俺は歩きだす。
教皇の間とは逆へ、双児宮に向けて。
するとサガは慌てて後を追ってくる。


しばらく二人とも何も言わなかったが、不意にサガがぽつりと「懐かしいな」と呟いた。
「昔は良くこうやって、月が上ってから二人で並んで歩いたな」
「………」
「カノン」
「………」
サガの手がそっと、手に触れてくる。
始めは恐る恐るといった体で。
俺が抵抗しないでいると、強く握ってきた。
昔と変わらない、暖かいサガの手。





「………ただいま、サガ」
「!!……おかえり、カノン」













後書きと言う名の言い訳。
例によって例のごとく御都合主義設定で・・。
てかサガが勝手にスニオンに突っ込んだのにカノンがただいまもどうなんだろうと思いつつ。
というかむしろ二人とも帰ってきたんだよな、とか思いつつ。
ぁー・・ぅん。
深く考えないのが1番だよね!!←

とりぁぇずいきなり黄金の中に突っ込まれて所在無さげなカノンが書きたか・・った・・。
あと13年離れ離れでいきなり再開しちゃってギクシャクな双子とk