良く晴れた日の朝、サガがいつもの様に一人で朝食をとりながら新聞を読み流していると、珍しく早起きなカノンがやってきた。
「おはようカノン」
「ぁ、ぁ…。おはようサガ」
少し驚いたものの、特に気にもしていないサガに対して、何やら歯切れの悪いカノン。
そんな態度に首を傾げつつもサガは新聞を元の通りたたみ直してテーブルに置くと、イスから立ち上がりコーヒーを入れようとするが、カノンに行く手を遮られた。

「ぁ…のな、サガ…」
「何だ?」
「ぁ、ぅ…」
カノンは意味を成さない言葉を発してはうつ向き、意を決した様にサガと向き合っては何も言わないままに再びうつ向いてしまうことを何度か繰り返した。

「……カノン、焦らずとも良いから一先ず落ち着くのだ。ほら、座りなさい。砂糖はどうする?」
そんな様子を不思議そうに眺めていたサガは、そう言って柔らかな蒼い髪を撫でてやると少し前まで自分が座っていたイスをカノンにすすめるが、カノンはそれに対しイヤイヤをするように頭を振って抵抗する。
「だ、ダメなのだ、それではダメなのだ!」
「カノン…?」
「ぁ、あのな…!その、あの…」
「……。何だ?」
先程までと違い、折半詰まったような様子のカノンをなだめるように頭を優しく撫でてやる。
しかしカノンはまるでこれから聖戦でもするかのごとく神妙な面持ちでサガと正面から向き合う。
「ぁ…あのな、今まで言ったことが無かったが…その…、俺……」
それとは対照的に、サガは穏やかに微笑み、続きをただしてやる。
「俺…、サガが…。ぁぅ……サガが、好きだ!」
あまりの大告白に唖然とするサガ。
やっと喉の支えが取れて大きく息を吐く、耳まで朱に染まったカノン。

「……嬉しいよ、カノン。でも、そんなに頑張らなくともお前の気持ちくらい百も承知しているぞ?」
サガは自身と寸分違わぬその身体を抱き締めるとカノンもその背に腕を伸ばす。
「…ぃ、言いたかったのだ。いつも、サガばかり言っているから…」
「そうか…。ありがとう、カノン」
「ん…」
髪をすいていく指が心地よい。
カノンはサガの肩に頭を預けると、甘えるように鼻先を擦りつけた。










「今日も暖かいな」
「んー…」
窓際に座るサガの脚に、頭を乗せて寝転がったカノンは夢うつつに返事をする。
「…カノン?」
「んー……」
やがて聞こえてきた規則正しいその音に、サガはため息をつくと蒼いその一束を掬い上げると、そっと口付ける。



「おやすみ、カノン…」



――――大好きだよ。











後書きと言う名の言い訳。
ほのぼのってなぁに!?
てコトで挑戦して見事玉砕したくさい←
ボクの中のほのぼのとは何か違うんだ・・何かが!
てコトでサガが優しすぎましたサーセン。
というか、愚弟は「好き」で良いけど兄さんはどっちかっつと「愛してる」とか言いそうだ。
まぁ・・良いか←