→マーキングfromカノン

雲一つない澄みきった青空の下、親友アイオロスとの一時。

他愛ない世間話と、弟の苦労話を一頻り語り終えた後、その提案は突然発せられた
「今日も良い天気だなサガ、久しぶりに闘技場にでも行かないか?」
人馬宮を少し離れた見晴らしの良い丘にニ人。
「そうだな。せっかくこんなに晴れているというに、ただ空を見上げているのも勿体無い」
何故に天気が良いから闘技場、と問う者は一人もいない。
「決まりだな!」
「手加減はしないぞ?」

かくして少々価値観のズレた男ニ人は闘技場へと向かった。


「はあぁっ!」
「甘いわ!!」
「何のー!!」


「はっ…、腕は鈍ってないみたいだな、サガ…」
「あぁ…、お前も、な…アイオロス…!」
ふるふると頭を振って汗を飛ばすアイオロスと、長い髪を束ね上げては首筋に風を入れるサガ。

「…?サガ、それはどうしたんだ?」
「…何がだ?」
「首の後ろだ、赤くなっている」
「――!!」
バシィッと音がしたのではないかと思う程の勢いでサガの手がそれのあるであろう場所を覆う。
「さ、さぁ…?どこかにぶつけたかな…?」
「そ…そうか?気をつけろ、よ…?」
ただならぬサガの雰囲気に気圧され、アイオロスはそれ以上追求することが出来なかった。
「あぁ。ありがとうロス」
お得意の偽善スマイルを一つ残すとサガはあまり状況の飲み込めていないアイオロスを残し、自宮へと真っ直ぐに、光速で走った。



「カノン!!絶対に見つからないと言っていたではないか!!」
「知るか!お前の行動にまで責任持てるか!!」
「問答無用!!」
「ちょ、ま!んなーーー!!?」



聖域は今日も平和である。






→マーキングfromサガ

某所某店で好敵手という戦友、ラダマンティスと二人。

「少しピッチが早いのではないか?カノン…」
「大丈夫大丈夫、ほらお前も飲め!」
そう言って背中をバシバシと叩いてくるカノンはすっかり出来上がっている。
ここの支払いもやはり自分なのだろうか、と少し控え目に酒を舐める冥界三巨頭。

「……もう飲めない…」とテーブルにふにっと頭を預けるカノン。
そんなカノンの髪に、どさくさに紛れて触れてみるラダマンティス。
首筋にかかっていた髪がさらりと落ちて白いそこが露になる。
と同時に、ラダマンティスの額に汗が浮かぶ。

「……。…カノン、これは…?」
「ぅー?」
上気した赤い頬に酔いの為に潤みを帯びた瞳で見上げられ、一瞬どきりとしたが、何とか口にする。
「首に…赤い跡が…」
「――!!?」
言い終わらない内にカノンは飛び起きるとトイレへと駆け込み、数秒で帰ってくると
「すまんラダ!今日はもう帰る!!」とだけ言い残し、光速で店を後にしてしまった。
「ぁ、おいカノン!!」
せめて勘定くらい済まして行け、という言葉は口にされることもなく、ラダマンティスはイスに座り直すと大人しく飲み直しだした。



「サガ!!何なのだこれは!いつ付けた!?」
「何だ、気付いてなかったのか」
「おーのーれぇぇぇぇ!!」



双児宮は今日も崩壊寸前だ。












後書きと言う名の言い訳。
友達に「雰囲気も宮もぶち壊しwwwwwww」と言われた可哀想な文。
とりぁぇずギャグ短は自分には向いてないんじゃないかと思う←
それでも愚弟なカノンが大好きです。
てかfromカノンがどーにもカノサガくさくてちょっとアレな気分。